1.事案の概要
運送業を営む従業員数50名の会社様から、M&A(株式譲渡形式)における法務デュー・デリジェンス(法務調査)についてご相談をいただいた事例です。
譲渡金額は1億円の予定でした。
2.ご相談時の課題
ご相談時は特にクライアントに懸念点はなく,問題ないかチェックだけして欲しいとのご依頼でした。
3.当事務所の対応
法務デュー・デリジェンスで各種書類を調査していたところ,就業規則上に固定残業代制の要件を満たさない各従業員の給料差も加味しない一律額支給の固定残業代制度の記載を発見。給与明細の記載内容,労働契約書とも照らし合わせて譲渡し人も確知していない固定残業代の未払が発覚。
譲受人の会社は役員を合わせて約20名で役員数名を除く従業員の未払賃金総額は時効部分を除いて1000万円程度に。
4.解決結果
法務デュー・デリジェンスの結果を譲受人に報告するとともに,譲受人側では譲渡人に事前解決を依頼。譲渡人は未払賃金を従業員らに支払うとともに譲渡代金を一部減額して無事法務リスクを除去した上で譲渡代金を一部減額して解決をすることができました。
5.本件のポイント
M&Aでは比較的小規模の会社を中心に法務デュー・デリジェンスを実施していない会社もあります。
会社は車や洋服を購入するのと異なり,購入時にその全体像,中身を確認することが難しい買い物です。税理士や弁護士の財務・法務デュー・デリジェンスを実施することで,事前に法的リスクを除去したり場合によってはこれを理由に代金の一部減額などがあり得ます。
6.顧問契約だからこそできた支援
こちらの会社は顧問契約により,日頃から弁護士とのコミュニケーションの中でM&Aで法務デュー・デリジェンスを入れる理解があったため,事前にリスク回避をすることができました。
M&Aで弁護士の支援をお求めの経営者様がいらっしゃったら是非お気軽にご相談ください。
