1.事案の概要
建設業を営む従業員数約20名の会社様から、退職した従業員が弁護士をつけて残業代を請求してきたというご相談をいただいた事例です。
2.ご相談時の課題
会社は従業員には基本的に残業するような仕事はないとの理解からタイムカードは打刻させていたものの定時後従業員が雑談や残務をしている場合にもそれを放置し、また始業前に会社に来ている従業員にも声掛けをせず、タイムカードの打刻も始業時、終業時ではなく、出勤時と退勤時に行っている運用でした。そのため、タイムカード上は早出、残業勤務があるように見えてしまっていました。
他の従業員は残業代を請求したことはありませんでしたが、当該従業員は仕事がうまくできないことも相まって会社の上司と馬が合わず、半ば揉めたようにして退職していった経緯があります。
3.当事務所の対応
当事務所は、会社から事実関係を聴取して、始業前に早出勤務する業務の必要性や内容は一切ないこと、他の従業員も同様であること、また一日の業務内容とかかる時間などを洗い出して終業後の残業はその業務実態がないことなどを主張立証。タイムカードについてはその記載が勤務時間と推認されてしまう事情を覆す証拠を集めました。
4.解決結果
その結果、早出時間は全額請求をなくし、残業代も請求の一部で、総請求額の40%程度の請求額で和解解決をすることを実現しました。一部支払いが発生したのは、定時時間内に終わらせるべき仕事という問題は当たっため、その当否は別として実際に勤務終了時間後の残業業務<>の実態があったためです。
5.本件のポイント
タイムカード制度はあったものの、始業・終業時刻の打刻ではなく出勤・退勤時刻で打刻する運用を取っていたこと、不必要に始業前・終業後に残る従業員を放置していた点にあります。
6.顧問契約だからこそできた支援
同社は、事件解決後ほどなくして当事務所と顧問契約を締結し、その後労務管理全般を一緒に見直すことで、不当な残業代請求が発生する事実状態を解消しました。
従業員の残業代でお困りの方、リスクを抱えている方は、法律事務所Sにご相談ください。
